笹川同学会新規事業《日中ハイエンド医学フォーラム(生活習慣病の現状と対策)》がウルムチで開催されました
2018/08/01
笹川医学奨学金を受け日本に留学経験を持つ中国人医師らでつくる「笹川医学奨学金同学会」が、新しい事業として、7月28日、中国・ウルムチ市の新疆ウイグル自治区人民医院において、日中ハイエンド医学フォーラムを開催した。フォーラムには新疆ウイグル自治区各地域の病院から230名の医師が参加。
フォーラムのテーマ「生活習慣病の現状と対策」について、津下一代・あいち健康の森健康科学総合センター長、張新華・WHO駐中国代表処慢性病官吏、李南方・新疆ウイグル自治区人民医院副院長が講演。「日本の生活習慣病対策 政策・実践とその評価」のテーマで講演した津下センター長は、日本の生活習慣病対策を具体的な数値と実践方法を示して、健康日本21・特定健診保健指導制度・糖尿病性腎症重症化予防に係わる取組み及びIoTを活用した継続的保健指導について紹介した。
津下一代 先生
張官吏は中国の慢性病の現状を紹介し、日中の比較において津下センター長の講演を引用し日本に学ぶべきとの見解を語った。李副院長は睡眠時無呼吸症候群と高血圧、心不全等心疾患との関係について長年の研究成果を発表した。
参加した若手医師は津下センター長に保健指導等実践における課題について熱心に質問し、懇親会まで交流が続いた。
李副院長は、笹川医学奨学金第7期生として来日、博士学位を取得後、新疆ウイグル自治区人民医院に西北地域で最初の高血圧研究所を設立。全国の高血圧研究のリーダーとして予防治療・研究・人材育成を推進。今回、フォーラムの実施責任者としてウルムチ開催を成功に導かれた。
新疆ウイグル自治区人民医院 外来病棟入口
日中ハイエンド医学フォーラムは、日中両国の専門家の講演と意見交換を通じて、医療課題解決策を提言として纏め、中国国家衛生健康委員会へ笹川医学奨学金同学会モデルを報告することを目指している。
笹川医学奨学金同学会のリソースを活かして、中国の健康医療政策に反映できる「同学会モデル」を創出するための事業展開を期待するとともに、共同事業として日中医学協会も協働して取組みたい。