中国山西省・吉林省合同病院長訪日研修を行いました
2019/05/09
笹川医学奨学金進修生同学会事業の一環として、中国山西省および吉林省の病院から、山西省臨汾市人民病院 李 斌 副院長ら総勢11名の訪日団を迎え、4月22日から24日までの日程で、中国病院長研修を行いました。
第一日目は静岡県立静岡がんセンターを訪問しました。山口 建総長から「病院経営における全人的医療および多職種チーム医療の重要性について」、安達 勇参与(当協会副会長)から「日本のがん疾患の疫学ならびに静岡がんセンターの施設、治療機器ならびに患者さんの視点を重視したケアなどについて」のレクチャーを受けました。その後、訪日団は静岡がんセンター内にある外来患者棟、緩和ケア施設、陽子線治療施設を見学しました。
山口 建 総長 挨拶 安達 勇 参与 講演
質疑応答(発言は、李斌氏) 施設内視察
2日目午前は、本研修のプログラムオフィサーを務めて下さった東京女子医科大学の上塚芳郎教授が、「日本の国家財政と社会保障、医師育成・教育制度」について事前配布した資料と当日映写資料を用いて解説しました。午後は聖路加国際病院に場所を移し、福井次矢院長による「医療の質の改善について」のレクチャーを受けました。その後、聖路加国際病院病棟および教育センターを見学しました。
上塚 芳郎 教授 講演 質問する徐 静先生
福井 次矢院長 講演 聖路加国際病院教育センター視察
3日目午前は、順天堂大学医学部付属順天堂医院を参観しました。高橋和久院長より順天堂医院の方針(高度医療の実践と地域医療の発展)について説明を受けたのち、金子和夫副院長、桑鶴良平教授の引率で院内を視察しました。手術室エリア、MRI診断エリアも見学し、脳外科医の多い今回の訪日団にはとても有益な視察となったようです。
高橋 和久院長 挨拶 質疑応答
見学 (手術エリア) 見学 (MRI診断エリア)
全員写真
3日午後は、大原記念倉敷中央医療機構 相田俊夫代表理事の「急性期基幹病院の経営とその中期計画」に関する講演が行われ、その後、上塚芳郎先生がチェアを務め、相田俊夫先生も加わり全員でラップアップを行いました。ラップアップでは、上塚先生が本研修プログラムの狙いと中国訪問団への期待を述べました。中国側からは医療安全や災害時対応での官民の違いについて質疑がありました。最後に、中国訪日団を代表して李斌先生が、本研修において今後所属病院のマネジメントに参考にできるものを沢山学んだこと、上塚先生を始め各講師の先生方への感謝の意を述べられました。
相田 俊夫先生 講演 相田 俊夫先生 講演
上塚 芳郎先生 ラップアップ 研修終了
本研修実施中に中国の看護師を日本の病院で研修させたいとの提案があったとも聞いています。本研修はそのような日中交流の機会が生まれる研修でもあったようです。