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日中医学協会ブログ

JSTさくらサイエンスオンライン交流プログラムを実施しました

2022/05/16

JSTさくらサイエンスオンライン交流プログラムを実施しました

 この度、JSTさくらサイエンスオンライン交流プログラムに採択され、2022年2月18日から計5日間の日程で、中国の11の省市の若手医療従事者・医学生30名と日本のトップレベルの大学病院・研究所をオンラインで繋ぎ、交流を行いました。

 さくらサイエンスプログラムは、世界の優れた人材に日本の最先端の科学技術に触れてもらい、交流を通じて日本への関心を高めてもらうことにより来日を促し、科学技術イノベーションに貢献しうる優秀な人材の確保を目的にしています。
 今回のプログラムでは、日中笹川医学奨学金制度OBより推薦を受けた次期奨学生となりうる優秀な若手研究者が参加し、東京大学医学部附属病院、慶應義塾大学医学部、東京女子医科大学先端生命医科学研究所、静岡県立静岡がんセンターのご協力を得て、専門家の先生方に、日本の最先端の医学研究や医療技術についてご講義いただき、交流を行いました。

〇プログラム
2月18日(金)東京大学医学部附属病院専門家との交流
1) 瀬戸泰之 病院長 胃・食道外科診療科長
   講義:「食道癌に対するロボット活用した新術式の開発」
2) 田村純人 国際診療部長
   東大病院の紹介
3) 飯塚陽子 国際検診センター長
   国際検診センターの紹介

2月19日(土)日中笹川医学奨学金制度研究者と博士学位に係る日本の研究事情について交流
1)博士課程在籍者(プログラム当時)
【外科】孫長博 東京大学大学院医学系研究科 呼吸器外科学(第40期笹川生) 【内科】許 婧 金沢医科大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌内科(第41期笹川生) 【看護】張含鳳 広島大学大学院医系科学研究科保健学分野(第41期笹川生) 2)博士学位取得者
    張 順 同済大学附属東方医院副主任医師 順天堂大学で博士(医学)取得(第40期笹川生)

日本での留学生活について

2月24日(木)慶應義塾大学医学部専門家との交流
1)岡野栄之 生理学教室教授
   講義:「iPS cells-based Regenerative Medicine and Drug Development」
2)高石官均 予防医療センター長/医学部教授
   講義:「新しい予防医療センターが目指すもの」
                                                       岡野先生との質疑応答      高石先生との質疑応答                                  

2月25日(金)東京女子医科大学先端生命医科学研究所専門家との交流
1)丸義朗 東京女子医科大学学長 ビデオメッセージ
2)関谷佐智子 研究所助教
   講義:「Regenerative Medicine with cell sheet Technology」
3)清水達也 研究所所長/教授
   先端生命医科学研究所の紹介
                             (左)清水先生との質疑応答   (中央上)丸学長のビデオメッセージ  (右)関谷先生のご講義

2月26日(土)
1)安達勇先生  静岡県立静岡がんセンター参与・日中医学協会副会長
講義:「日本のがん治療の現状と静岡がんセンターの取り組み」
2)修了式                                                安達先生のご講義と質疑応答                                         

〇プログラムを終えて
 日本の専門家による各講義では多くの質疑応答が行われ、とくにiPS細胞、細胞シートを活用した再生医療については関心が高く、活発な交流が行われました。参加者より「日本の高度な医療の発展について学ぶことができ、新たな理解と刺激を得た」「日本の研究基盤の深さと優れた手術技術を実感した」との感想が寄せられました。二日目の日中笹川医学奨学金制度研究者との交流では、Zoomのブレイクアウトルーム機能を使い、外科・内科・看護グループに分け、グループセッションを行いました。参加者からは、留学に必要な語学力や博士課程での基礎研究と臨床研究の割合についてなど具体的な質問が出て、活発な情報交換の場になりました。参加者より「実際、日本で留学している中国人研究者から研究内容や日本での日常生活の話を聞くことができて、大きな励みになった」「留学に向けて頑張ろうという強い動機付けになった」との感想があり、留学への関心や意欲につながったようです。

 本プログラムを通じて、日本の最先端の医学医療に触れる機会を提供することができ、日本での研究活動や留学の魅力を伝えることができました。対面での交流が難しい中、今後もオンラインならではのメリットを活かし、継続的に日中間の医学交流を図っていきたいと思います。