日本の漢方医薬学を学ぶ―さくらサイエンスプラン―
2017/10/28
JST主催のさくらサイエンスプランにより、2017年10月22日~10月28日の日程で、中国湖北省中医院の若手医師、薬剤師計8名を招聘しました。日本の漢方医薬学をリードする大学、研究所、病院、企業の参観を通して、日本の漢方医薬学への理解を深め、日本での研究活動への関心を促すことを目的にプログラムを実施しました。
<東京薬科大学>
漢方医薬学、臨床薬理学研究の講義を受け、研究室・薬草園・資料館の見学を通して、日本の漢方薬の歴史と発展、漢方薬研究について理解を深めました。
<ツムラ茨城工場>
漢方記念館では日本における漢方医学の確立を学び、生薬から製品に至るまでの最先端の製造工程と品質管理について見学しました。
<北里大学東洋医学総合研究所>
日本最先端の漢方医学の基礎研究、トランスレーショナルリサーチの取り組み、西洋医学と漢方医学を融合した診療・治療技術を学びました。
<テルモメディカルプラネックス>
手術室や病棟を再現したシミュレーション設備を見学し、本物の感触に近い人体や臓器モデルを用いて医療トレーニングを体験しました。
<静岡県立静岡がんセンター>
陽子線による先端的がん治療、全人的治療、充実した緩和医療について学びました。
<日本の医療保険制度についての講義>
医療保険制度の特徴を学び、医療費増加、人口減少など日本が直面している問題をとりあげ、在宅医療や地域包括ケアについての講義を受けました。日中共通の課題である高齢化社会に向けて、医療や社会の在り方について活発な質疑応答がありました。
訪日団より「中国の中医薬学と原点は同じだが、日本に伝わった後、独自の漢方医薬学として発展していることが来日して分かった」「日本の漢方医薬学の基礎研究、臨床応用研究のレベルの高さに驚いた」「共同研究や大学で更に深く学びたい」という感想がよせられました。 これを機に湖北省中医院の先生方が研究者として再来日されることを期待しています