笹川同学会の地域医療支援活動が新疆ウイグル自治区で実施されました
2021/01/05
日中笹川医学奨学金制度研究者OB会(笹川同学会)は、中国国内事業の一つとして、新疆ウイグル自治区の和布克賽爾県で地域医療支援活動を実施しました。
少数民族が多い新疆ウイグル自治区は、中国の中でも高血圧患者が多い地域で、罹患率は全国平均を上回っています。しかし、広域ゆえ医療が十分に行き届いておらず、また患者は、交通が不便等の事情で、都市部の病院(三級病院)に行くこともままなりません。このような状況化においては、県級病院(二級病院)や各県内に点在する郷(鎮)衛生院(コミュニティークリニック;一級病院)の機能を強化し、これらの病院で高血圧スクリーニングと適切な治療を継続して行っていけるよう、人材と体制を整えることが必要です。
2020年10月28日、新疆ウイグル自治区人民医院副院長・高血圧センター長の李南方先生(第7期、第40期笹川生)と同高血圧センターの医師ら14名が和布克賽爾県人民医院を訪問し、医師・看護師60名に高血圧症(特に二次性高血圧)の診断・治療についての講義と、カンファレンス・病棟回診を通して実地指導を行いました。
さらに、郷(鎮)衛生院の医師・看護師にもオンラインで講義を行い、近郊の郷(鎮)衛生院には訪問して外来での実地指導と二次性高血圧患者のスクリーニングを教授しました。
また今回、李南方先生が2年前に第40期笹川生として来日した際に、京都大学大学院総合生存学館(思修館)でデータ処理技術を研究する趙亮准教授と共同開発した「高血圧診断ソフト」を実際に使用し、検証を行いました。煩雑なスクリーニングを比較的簡単な操作で行うことが出来るため、早期の実用化に向けて、今後さらに検証を重ねていくとのことです。