日中笹川医学奨学金制度<学位取得コース>研究者が東京大学で博士号取得!
2022/06/29
日中笹川医学奨学金制度第40期<学位取得コース>研究者の孫長博さんが、2022年3月、東京大学で医学博士号を取得しました!
孫長博さんは中国医科大学の修士課程在学中に、著名な胸部外科専門家である許順教授の指導を受けました。許順教授も、日中笹川医学奨学金制度研究者として、1994年と1999年に日本に留学した経験を持ち、許順教授の留学時代の話を聞く度に、日本への憧れを深め、日中笹川医学奨学金制度に応募、2016年に第39期生として東京大学に留学し、呼吸器外科の中島淳教授の下で一年間みっちりと勉学に励みました。
帰国後、許順教授から、日中笹川医学奨学金制度がリニューアルし、<学位取得コース>が新設されたことを聞き、今度は日本で博士学位を取得するため、再び日中笹川医学奨学金制度に応募しました。同時に東京大学大学院博士課程を受験して、無事に両方とも合格し、第40期生として再び日本で勉強する機会を得ることができました。
4年間の博士課程在学中、中島教授とがん免疫学の垣見和宏教授の下で、がんワクチン及び肺がん免疫治療に関する研究を、垣見和宏教授と長岡孝治講師の下で、がん新抗原(がんワクチン)に基づく腫瘍免疫療法に関する研究を、そして、博士課程後期では、中島教授の下で、肺がん遺伝子配列測定と臨床画像および分子病理学データを利用してマクロの腫瘍増殖率とミクロの腫瘍増殖および免疫微小環境との関係性についての研究を行いました。さらに、安樂真樹准教授の下でも、肺がん患者における栄養免疫に関連するサルコペニアの新しい診断法と肺がん治療予後への影響についての研究を行いました。
これらの研究成果を、IASLC第19回世界肺癌会議(WCLC)、第36回癌免疫療法学会(SITC)年次総会および2021年米国癌学会(AACR)年次総会で発表し、臨床研究の発表は第112回臨床呼吸生理研究会で優秀研究賞を、基礎研究は第85回日本インターフェロン・サイトカイン学会で研究賞を受賞しました。
また、第一著者として『Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery』、『European Journal of Cardio-thoracic Surgery』、『Annals of Surgical Oncology』, 『Cancers』と『Lung Cancer』の国際学術誌に論文を発表しました。
彼の将来の目標は、研究と臨床の両方で革新的な思考と実践能力を備えた医師になり、肺がん患者のQOLと生存期間の改善することだそうです。
孫先生、ご指導頂いた中島教授、垣見教授、安樂准教授、長岡講師、そしてあなたの研究や生活を支援してくださった東京大学の先生方への感謝の気持ちを決して忘れることなく、あなたの夢に向かって邁進していってください。そう遠からずあなたの夢が叶い、多くのがん患者に希望がもたらされることを期待しています。