【日中ハイエンド医学フォーラム~2023年大健康フォーラム】を開催しました
2024/03/06
2023年12月16日㈯、長富宮飯店(北京)において、日中笹川医学奨学金制度研究者OB会(笹川同学会)主催、日中医学協会共催による「日中ハイエンド医学フォーラム」がハイブリッド会議形式で開催され、会場には北京在住の笹川同学会会員を中心に50名、オンラインでは約20名が参加しました。
本フォーラムは、当協会と笹川同学会の共同事業で、同学会会員がコーディネーターとなり、中国の医療衛生政策の重点課題をテーマに日中両国の専門家の講演と意見交換を通じて中国における課題解決に繋げる取り組みで、今回で8回目の開催になります。
【日中ハイエンド医学フォーラム】 |
今回も「大健康」をテーマに開催しました。
フォーラムでは、日本側専門家2名、中国側専門家3名にご講演頂きました。
■講 演(プログラム順)
1)福田夏樹 在中国日本国大使館 一等書記官
「日本の介護保険制度の現状と課題」
日本の高齢者の状況と地域包括ケアシステム、介護保険制度の現状と今後の改定についても紹介されました。
2)堀田晴美 東京都健康長寿医療センター研究所自律神経機能研究室 研究部長
「加齢に伴う自律神経系の調節障害について」
高齢者の頻尿、筋力低下、嚥下・骨粗鬆症と自律神経との関係について述べ、またアルツハイマー病患者への人参養栄湯投与は脳内コリン作動系に作用し脳血流を増大させることについて講演されました。
3)喬 明琦 山東中医薬大学 教授
「うつ病/月経前過敏性障害における肝気鬱結の病態と肝機能温存・抑制薬理学」
うつ病と月経前不快気分障害における中枢・自律神経系の緊張状態による様々な病態と中薬の薬理作用について紹介されました。
4)韓 晶岩 北京大学基礎医学院中西医結合教室 教授 (第9期生)
「怒りに起因する下痢と多嚢胞性卵巣を改善する中薬の作用機序」
過度な怒りやストレスに起因する下痢と多嚢胞性卵巣症候群の治療における瘀血(おけつ)の改善等の中薬の作用機序について発表されました。
5)崔 力萌 北京市疾病預防コントロールセンター 主管技師(第41期生)
「生活の中の放射線と放射性物質」
宇宙や大地から受ける自然放射線、食物や空気中のラドンなどの放射性物質から受ける放射線等、生活の中の放射線について解説し、福島汚染水についても科学的根拠から見解を示されました。
今回のフォーラムで取上げられた自律神経の調整障害、うつ病/月経前過敏性障害、下痢と多嚢胞性卵巣、生活の中の放射線などのテーマが、今後の健康政策に反映され、誰もが望む国民の健康につながっていくことが期待されます。