中日友好医院で北京近郊診療所医師に対する呼吸器疾患研修を実施しました
2024/10/15
9月22日、日中笹川医学奨学金制度研究者OB会(笹川同学会)主催の呼吸器疾患短期技能研修が、北京の中日友好医院で開催されました。呼吸器疾患は中国でも罹患者の多い疾患の一つで、笹川同学会はこの分野における二級病院や診療所の医師の知識や技能向上し、中国国内における医療格差の解消と大病院への患者集中を緩和するため、2016年より毎年実施しています。
本年の研修は、北京近郊の診療所の医師30名を対象に、日本の専門家による講演と中国の専門家による講義、ワークショップを行いました。
日本の専門家による講演は、笹川同学会の要望で、岡田唯男 亀田ファミリークリニック館山院長にお願いし、「日本における市中肺炎(CAP)管理モデルの紹介」について現地でご講演いただきました。日本呼吸器学会「成人肺炎治療ガイドライン2024」の紹介や、市中肺炎(CAP)や医療・介護関連肺炎(NHCAP)についての説明、日常の診療のアドバイスの教授など、多様な内容に皆、真剣に聞き入り、多くの質問が寄せられました。
岡田先生の講演の後、什刹海保健サービスセンターの連元元主任と張麗娜教授が、地域における呼吸器疾患のスクリーニングと管理モデルについて講義されました。
午後、中西医統合呼吸器疾患症例検討ワークショップ(地域連携編)と地域における呼吸器疾患外来対応ワークショップが開催されました。中日友好医院の総合診療医と北京市内の地域保健サービスセンターの医師の講義の後、中西医統合呼吸器疾患症例検討ワークショップではグループ毎に症例検討を、呼吸器疾患外来対応ワークショップでは模擬外来対応について学びました。
研修参加者が皆、講義とワークショップを通じて学んだことを診療に活かして、地域医療の質の向上に貢献されることを期待しています。