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日中医学協会ブログ

日中笹川医学奨学金制度<学位取得コース>研究者が国際医療福祉大学で博士号取得!

2024/11/12

日中笹川医学奨学金制度<学位取得コース>研究者が国際医療福祉大学で博士号取得!

 日中笹川医学奨学金制度第42期<学位取得コース>研究者の孟華川さんが、2023年3月に国際医療福祉大学で博士号を取得しました(写真:三浦総一郎大学院長(当時)と孟さん)。

 孟さんは、2011年に北京第二外国語大学を卒業し、同年8月から、北京にある中日友好病院の国際交流合作弁公室(外事処)に勤務しています。
 2015年に、中国若手行政官等長期育成支援事業(JDS中国)を通じて早稲田大学公共経営専攻に留学し、2016年に修士号を取得しました。
さらに2020年に、日中笹川医学奨学金制度の学位取得コースの研究者として、国際医療福祉大学大学院医療福祉経営学分野に留学しました。
当初は4月に訪日する予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大により渡航制限等で訪日することができず、4月から10月までの半年間、中国国内でオンライン授業を受け、10月にようやく訪日することができました。

 博士課程在学中は、『日本の医療-制度と政策〔増補改訂版〕』を主著した医療政策の第一人者である島崎謙治教授と、国際医療福祉大学成田病院放射線科部長で国際遠隔放射線診断センター長の桐生茂教授のご指導の下、「国をまたがる遠隔画像診断の事業スキームの成立可能性と法的課題」をテーマに研究に取り組み、その成果として投稿した論文が『日本医療・病院管理学会誌』第60巻第2号に掲載されました。博士課程の学位論文のテーマは「遠隔画像診断事業の国際展開の可能性と政策課題──日本から中国への展開を中心に──」で、孟さんは「コロナ禍で思うようにインタビューや調査が出来ない中で、無事に主論文を仕上げることができ、副論文を専門学会誌に投稿し採択されることができたのは、先生方の厳しくも温かいご指導のおかげです」と、とても感謝していました。

島崎謙治教授と孟さん

 研究活動の他に『医療4.0 第4次産業革命時代の医療』(加藤浩晃【著】)や『運動療法のための機能解剖学的触診技術 上肢 改訂第2版』(林 典雄【著】)、『運動療法のための機能解剖学的触診技術 下肢・体幹 改訂第2版』(林 典雄【著】)、『初めの一歩は絵で学ぶ 微生物学 細菌・真菌・ウイルスと感染症』(杉田 隆【著】)等の書籍を翻訳し出版した他、中日大健康医療オンラインフォーラムやオンライン交流会を10回以上企画・実施し、自身も講演の通訳として参加しました。

 2年間の留学を終え、病院業務へ戻るため、2022年11月に帰国しました。現在は中日友好病院国際交流合作弁公室の対日事業主管として、日本と中国の学術交流・人的交流・共同研究等の業務全般を担当しています。2023年6月には中日友好病院訪日団の一員として東京大学、順天堂大学、国立医療研究センター、富山大学等を訪問し、学術交流や人的交流についての話し合いを行いました。

 孟さんは、新型コロナウイルス感染拡大下においても、中国と日本と医学交流促進のために様々な活動を行っていました。2020年3月、日本はまだ感染拡大の初期段階だったため、友人達と共にいち早く新型コロナウイルス感染症に関する中国のガイドラインを日本語に翻訳し、日本医師会と東京大学、順天堂大学などの70余りの病院に提供しました。また日本への留学経験をもつ友人達に協力を呼びかけ、日本の11の病院(東京大学医学部附属病院、京都大学医学部附属病院、名古屋大学医学部附属病院、慶応義塾大学病院、九州大学病院、筑波大学附属病院、神戸大学医学部附属病院、広島大学病院、新潟大学医歯学総合病院、順天堂大学医学部附属順天堂医院、国立循環器病研究センター)に4万8千枚のマスク等の医療物資を寄贈しました。これらの活動は日中両国の多くのメディアで取り上げられ、高く評価されました。

●中国のコロナ知見、邦訳し提供 日本語学んだ北京の病院職員ら 共同通信記事
https://www.47news.jp/4758409.html
●この思いを日本語で 北京の病院、コロナ虎の巻で恩返し 朝日新聞記事
https://digital.asahi.com/articles/ASN6H321SN6CUHBI01Z.html?iref=comtop_list_gold_n01
●小さな弱い力でも架け橋を目指して頑張りたい  中国国際放送局(CRI)記事
http://japanese.cri.cn/20200422/ae06e850-88f4-f55f-72d5-123d8323d15e.html

 孟さん、博士号取得おめでとうございます!
 島崎謙治教授、桐生茂教授をはじめ、ご指導いただいた先生方への感謝の気持ちを忘れずに、これからも日中の医学交流の架け橋と「民間の外交官」として活躍されることを大いに期待しています。