【日中ハイエンド医学フォーラム~2024年大健康フォーラム】を開催しました
2025/01/30
2024年12月21日㈯、長富宮飯店(北京)において、日中笹川医学奨学金制度研究者OB会(笹川同学会)主催、日中医学協会共催による「日中ハイエンド医学フォーラム」がハイブリッド会議形式で開催されました。北京在住の笹川同学会会員を中心に約100名が参加しました。
本フォーラムは、当協会と笹川同学会の共同事業で、同学会会員がコーディネーターとなり、中国の医療衛生政策の重点課題をテーマに日中両国の専門家の講演と意見交換を通じて中国における課題解決に繋げる取り組みで、今回で9回目の開催になります。
【日中ハイエンド医学フォーラム】 |
今回は「生活習慣病」をテーマに開催されました。
フォーラムでは、日本側専門家2名、中国側専門家1名及び笹川生2名にご講演頂きました。
■講 演(プログラム順)
1)李 劍虹 中国疾病預防コントロールセンター代謝室 主任
「中国における慢性疾患の予防とコントロール戦略」
主に中国における生活習慣病の罹患状況、生活習慣病に対する予防コントロールと政策、政策の実践と成果の3つについて紹介されました。中国では全国に488か所の慢性疾患総合予防モデル地区を指定して、モニタリング等を行っていることが報告されました。
2)津下一代 女子栄養大学 特任教授
「生活習慣病の予防と治療―地域における健康づくり―」
日本における糖尿病対策、特にメタボリックシンドロームに着目した保健事業や糖尿病の合併症の抑制を目指した、医療と行政サービスとの連携について発表されました。国民健康づくり運動「健康日本21(第二次)」の取組の結果及び「健康日本21(第三次)」の概要について報告されました。また糖尿病性腎症重症化予防についても紹介されました。
3)福田夏樹 在中国日本国大使館 一等書記官
「日本における健康増進の取り組み」
日本の高齢化社会における健康づくりについて、「健康日本21(第二次)」の取組とともに「健康日本21(第三次)」の目標、健康寿命の延伸、健康格差の縮小等について発表されました。また健康づくりのための睡眠ガイド2023についても紹介されました。
4)李 南方 新疆ウイグル自治区人民医院 教授(第7 期生)
「高血圧管理の改善における高血圧専門医療の重要な役割」
中国の高血圧症患者数は年々増加しており、2.45億人に達しているとも言われています。新疆ウイグル自治区人民医院高血圧センターでは、専門家チームが高血圧症の少数民族1,500万人の高血圧コントロールに取組みが成果を挙げた(17%改善)ことを踏まえ、高血圧症専門学科設立の必要性について述べられました。
5)李 顕筑 黒龍江省中医薬科学院 教授(第10期生)
「生活習慣病を防ぐ清潔な環境」
中西医結合学の立場から糖尿病の予防治療の取組について発表されました。世界糖尿病デー(11月4日)にあわせて五高(高血糖、高血圧、高血脂、高血粘、高尿酸)患者を対象に食事療法、運動療法などの中西医結合医療を1か月間行うリクリエーション基地の実践について紹介されました。