日中笹川医学協力プロジェクトの一環として、日本財団の助成を受け、1986年から中国国家衛生健康委員会(旧:中国衛生部,中国国家衛生・計画生育委員会)とともに実施している奨学金制度です。中国の医学・医療分野の指導者となりうる人材を日本に招請し、日本の最先端の医療技術や知識を修得し、その成果を中国国内に還元して保健医療の向上に寄与すること、及び日中両国の医学・医療分野における交流や共同研究を促進することで協力関係を強化することを目的としています。
これまで招請した研究者は延べ2,396名、受け入れ機関(大学・病院・研究所等)は242機関、指導教官・共同研究者は1,756名にのぼります(2023年7月現在)。
帰国した研究者から、日本の学士院会員に相当する中国科学院・中国工程院の院士を輩出し、また、多くが医学医療系大学の学長・副学長、三級病院(先端医療提供病院)の病院長、主任教授等の要職に就き、中国医学界における中心的な役割を担っています。
また、1991年に研究者の同窓会組織「笹川医学奨学金進修生同学会」(略称:笹川同学会)が発足し、中国全土に6支部と日本支部、北米支部を設け、日本で学び得た知識や技術を中国国内に還元する活動を積極的に行っています。
年表(役職:当時)
年 | 沿革 | ||||
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1986年 |
『笹川医学奨学金制度』協定書調印─10年間で1,000名の研究者を招請
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1987年 | 笹川医学奨学金制度開始─第1期研究者来日 訪日前に北京人民大会堂で顧英奇衛生部副部長主催の結団式を開催、王震中国国家副主席、笹川良一笹川記念保健協力財団会長、笹川陽平同財団理事長、石館守三日中医学協会理事長が出席 来日時に歓迎式典を開催、章曙中国駐日本国特命全権大使、斉藤昇厚生大臣、中曽根康弘総理、岡崎嘉平太氏等、400名が列席 |
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1991年 | 『笹川医学奨学金制度5周年記念式典』を北京人民大会堂で開催、朱鎔基副総理が列席 帰国した笹川生が同窓会「笹川医学奨学金進修生同学会」(略称:笹川同学会)を結成し、学術交流会の開催、内陸農村部や被災地におけるボランティア診療等の活動を行う |
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1992年 | 帰国した研究者の中から特に優秀な研究者10名を再招請する特別研究者招請事業開始 | ||||
1996年 |
『日中笹川医学研究者制度(第二次制度)』協定書調印─10年間で1,000名の研究者を招請
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1997年 | 『笹川医学奨学金制度10周年記念式典』を北京人民大会堂で開催 | ||||
1998年 | 第20期生帰国、受け入れ者数1,000名を達成 日中笹川医学研究者制度(第二次制度)開始─第21期研究者来日 特別研究者招請事業で来日する研究者を20名に増員 |
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2007年 |
『笹川医学奨学金制度20周年記念式典』を北京人民大会堂で開催-陳竺衛生部長、森喜朗元総理、尾身茂WHO西太平洋事務局長、笹川生や指導教官、関連機関役員等、1,200余名が列席
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2008年 |
日中笹川医学奨学金制度(第三次制度)開始-第31期研究者来日 |
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2013年 |
『日中笹川医学奨学金制度(第四次制度)』協定書に調印-5年間で150名の研究者を招請
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2014年 | 日中笹川医学奨学金制度(第四次制度)開始-第36期研究者来日 | ||||
2016年 | 『日中笹川医学奨学金制度30周年記念式典』を日本で開催 馬暁偉国家衛生・計画生育委員会副主任、古屋範子厚生労働副大臣、程永華中国駐日本国特命全権大使、笹川生(約300 名)、日本人専門家、関連機関役員等、500 名余が列席 |
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2017年 |
『日中笹川医学奨学金制度(第五次制度)』協定書に調印
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2018年 | 日中笹川医学奨学金制度(第五次制度)開始-第40期研究者来日 | ||||
2023年 |
『日中笹川医学奨学金制度35周年記念式典』を北京人民大会堂で開催-曹雪涛中国国家衛生健康委員会副主任、森喜朗元内閣総理大臣、笹川生や指導教官、共同研究者、関連機関役員等、1,000余名が列席
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2024年 |
日中笹川医学奨学金制度(第六次制度)開始-第45期研究者来日 |
研究者統計表
研究者分布図
笹川医学奨学金進修生同学会事業(日中笹川医学協力プロジェクト)
笹川医学奨学金進修生同学会(略称:笹川同学会)が主体となり、日本財団と中国国家衛生健康委員会(旧:中国国家衛生・計画生育委員会,中国衛生部)の協力を得て、中国全土の医療サービス体制整備に寄与するために、日中医学協会と共同で実施しているプロジェクトです。医療格差の解消と大病院への患者集中を緩和することを目標として中国の医療政策に反映できる笹川同学会事業モデルの構築を目指しています。
中国国内研修の実施
笹川同学会員が所属する三級病院(先端医療提供病院)を拠点病院として、現在の中国で最も必要とされる専門技術・技能の供与により二級病院(県級病院)の医療従事者を育成する事業です。コミュニティ医療の質的向上を目指しています。
地域医療支援活動の実施
中西部等、都市部と医療サービス状況に格差のある地域で、定点となる医療機関を定め、地域医療を担う医療従事者を育成することにより、地域医療の質的面的な向上拡大を目指しています。